言葉との向き合い方
名言の意味が分からないときの読み方
名言の意味が分からないときは、知らない単語があるのか、話の筋が見えないのか、意味は追えても納得できないのかを分けてみます。辞書を引く、前後を読む、疑問をメモするなど、次の一歩を選びやすくなるからです。すぐに理解したり、感動したりする必要はありません。
分からなさにも、いくつかの形がある
昔の漢字や言い回しが分からないのか。文章が何について話しているのか分からないのか。それとも、意味は追えても自分の経験と結びつかないのか。同じ「分からない」でも、つまずいている場所は違います。
たとえば「人格」という語を知らなければ、まず辞書が手がかりになります。ただ、辞書の説明だけで、ある作者がその言葉へ込めた意味まで決まるわけではありません。前後で何と比べているか、どんな例を挙げているかも読む必要があります。字の意味が分かることと、考え方が分かることは、少し違う作業なのです。
分かった場所から、仮の言葉を置く
一度で上手に要約しようとせず、「今は、こういう話だと読んだ」と仮のメモを置いてみます。全部を説明できなくても、何と何を比べている文章か、一つだけ拾うことはできるかもしれません。
メモに残すなら、「意味を調べたい言葉」「分かったと思うところ」「まだ疑問が残るところ」の三つくらいで十分です。これは理解を採点するためではなく、次に読むときの入口をつくるためです。原文と自分の言い換えを別の行にしておけば、あとから読み直したとき、どこを自分が補ったのかも確かめられます。
納得できないことも、読んだ結果になる
意味が分かったら、必ず賛成しなければならないわけではありません。「その考え方は、この場面なら分かる。でも、自分の状況には合わない」。そのように条件を考えられたなら、それも一つの読み方です。
有名な作者の文章にも、書かれた時代の価値観や、その人自身の立場があります。作者の言いたいことを理解しようとすることと、自分の判断を預けることは別です。違和感が残ったら、どの言葉、どの前提に引っかかったのかをメモしておくと、ただ好きか嫌いかだけではない読み方へ進めます。
もう一度読む日は、自分で決める
気になった一文の作者と作品名、読んだ日、ひと言の感想を手元に残してみる。しばらくして読み直すと、前は見えなかった意味が見つかるかもしれません。何も変わらなくても、それでかまいません。読み直した分だけ感動しなければいけない、という約束はないからです。
このサイトの解説も、読むときの足場の一つです。説明を読んだあとで原文へ戻ると、説明しきれなかった響きや曖昧さに気づくことがあります。分かったところと分からなかったところを両方持ったまま、一度ページを閉じる。そんな終わり方も、言葉を大切にする方法だと考えています。