言葉との向き合い方
励ましの言葉がつらいとき――受け取れない日の向き合い方
励ましをうまく受け取れない日に、無理に元気な返事をしなくてもよいのではないでしょうか。相手が気にかけてくれたことと、その言葉がいまの自分に合うかどうかは、分けて考えられます。応援よりも話を聞いてほしい場面を例に、言葉との距離の取り方を考えます。
背中を押されたいとは限らない
たとえば、発表を控えた夜。あと少し練習すれば挑めそうな人には、応援のひと言が支えになるかもしれません。一方で、準備を続けてきたことをまず分かってほしい人には、次の頑張りを求められたように聞こえるかもしれません。同じ場面に見えても、欲しいものが同じとは限らないのです。
言葉を選ぶ前に、「今ほしいのは、応援だろうか。話を聞いてもらうことだろうか。今日までのことを認めてもらうことだろうか」と、問いを分けてみます。答えは一つに決めなくてもかまいません。「応援はうれしいけれど、その前に少し話したい」という両方の気持ちもあります。
受け取れなかった理由を、急いで決めない
言葉が合わなかったとき、自分には前向きさが足りないのだと考えたり、相手は何も分かっていないと決めたりすると、話がそこで止まってしまいます。相手の思いやりと、いまの自分に合うかどうかは、別々に考えてよさそうです。
「気にかけてくれたことはうれしい。でも、今すぐ元気な返事はできない」。そういう受け取り方でも、その言葉を粗末にしたことにはならないでしょう。ありがたさを感じることと、その通りに動くことを、必ず同じにしなくてもよいのだと思います。
返すなら、してほしいことを小さく伝える
相手に伝えられそうなら、「今日は、うまくいかなかった話を聞いてくれるとうれしい」「助言は少し後で、まず一緒に考えてほしい」と、してほしいことを具体的にしてみる方法があります。これは正しい返答の型ではなく、会話の入口の一例です。
「分かってほしい」だけでは広すぎると感じるときも、「この部分を大変だったねと言ってほしい」なら、伝えたいことを見つけやすくなるかもしれません。言葉にする余裕がなければ、返事を急がず、あとで伝えるという選択もあります。
反対に、誰かを励ます側なら、「話を聞こうか。それとも一緒に方法を考えようか」と確かめることもできます。自分がもらってうれしかった言葉が、その人にも同じように届くかは、会話の中で確かめていけます。
名言にも、合わない日があってよい
本や画面の言葉は、目の前の人の表情を見て言い直すことができません。このサイトが贈る一文も、すべての事情を知って選んでいるわけではありません。合わないと感じたら、自分をその一文に合わせようとしなくても大丈夫です。
その代わりに、「いまは励ましより、ねぎらいが欲しかったのかもしれない」と、自分への問いを一つ持ち帰ることはできます。言葉を読んだ結果が、すぐ行動することではなく、欲しかったものに気づくことでも、その出会いには意味があると、このサイトでは考えています。